妊娠中、「便秘がつらい」と感じることはありませんか?
・なかなか出ない
・お腹が張って苦しい
・スッキリしない日が続く
といった悩みを抱える方も多いと思います。
妊娠中は、ホルモンの影響や運動量の低下、食事の変化などにより、便秘になりやすい時期でもあります。
そんなときに意識したいのが、「食物繊維」です。
食物繊維は、腸の動きをサポートし、便通を整えるために欠かせない栄養素です。
ただ、「何を食べればいいの?」「どれくらいとればいいの?」と迷うこともありますよね。
この記事では、妊娠中に食物繊維が大切な理由や必要量、多く含む食べ物、無理なく取り入れるコツについて、管理栄養士の視点と体験をもとにやさしくまとめています。
無理のない範囲で取り入れながら、自分に合った方法を見つけていきましょう。
妊娠中に食物繊維が大切な理由
妊娠中は、体の変化や生活習慣の変化重なり、便秘になりやすい時期です。
その中で、毎日の食事で意識したいのが「食物繊維」です。
食物繊維は、腸の動きをサポートし、便通を整える働きがあるだけでなく、体の調子を整えるうえでも大切な役割を持っています。
ここでは、妊娠中に食物繊維が大切といわれる理由について、わかりやすく紹介します。
便秘を予防・改善するため
妊娠中は、ホルモンバランスや生活習慣の変化に加えて、子宮が大きくなることで腸が圧迫され、腸の動きがゆるやかになり、便秘になりやすくなります。
便秘が続くと、お腹の張りや不快感につながり、日常生活にも影響が出ることがあります。
食物繊維には、便のかさを増やしたり、水分を含んでやわらかくしたりする働きがあり、腸の動きをサポートしてくれます。
そのため、妊娠中の便秘対策として、食物繊維を意識してとることが大切です。
腸内環境を整えるため
食物繊維は、腸内の善玉菌のエサとなり、腸内環境を整える働きがあります。
腸内環境が整うことで、便通がスムーズになるだけでなく、体の調子を保つことにもつながります。
妊娠中は体調が変化しやすい時期でもあるため、腸内環境を整えておくことは、毎日を快適に過ごすための土台にもなります。
食後の血糖値の上昇をゆるやかにするため
食物繊維には、食後の血糖値の上昇をゆるやかにする働きがあります。
食事の中で食物繊維を意識してとることで、糖の吸収がゆるやかになり、血糖値の急上昇を防ぐことにつながります。
妊娠中は、血糖コントロールも大切になる時期です。
そのため、食物繊維を取り入れることは、体への負担をやわらげることにもつながります。
妊娠中に必要な食物繊維量
妊娠中は、体の変化にともない、便秘になりやすくなることからも、食物繊維を意識してとりたい時期です。
とはいえ、「どれくらいとればいいの?」と迷う方も多いのではないでしょうか。
ここでは、妊娠中に必要な食物繊維量の目安と、不足しやすい理由について紹介します。
妊娠中に必要な食物繊維量の目安
成人女性(18〜64歳)の食物繊維の目標量は、1日あたり18g以上とされています。
妊娠中も、この量を基本として考えられており、特別に必要量が増えるわけではありません。
ただ、実際には多くの方が、食物繊維の摂取量が不足しているといわれています。自分ではとれているつもりでも、不足していることが少なくありません。
妊娠中は便秘になりやすい時期でもあるため、普段以上に意識してとることが大切です。
「18g」と聞くとイメージしにくいかもしれませんが、主食・主菜・副菜をそろえた食事に加えて、野菜や豆類、海藻類、きのこ類などを取り入れることで、少しずつ近づけることができます。
食物繊維が不足しやすい理由
食物繊維は、日々の食事の中で意識しないと不足しやすい栄養素のひとつです。
例えば、
- 野菜の摂取量が少ない
- 主食が白米やパン中心で、精製されたものが多く、玄米や全粒粉パンなどを選ぶ機会が少ない
- つわりで食べられるものが限られる
といった理由から、気づかないうちに不足してしまうことがあります。
また、食事量自体が少なくなってしまうと、それにともなって食物繊維の摂取量も不足しやすくなります。
そのため、妊娠中は無理のない範囲で、日々の食事の中に少しずつ食物繊維を取り入れていくことが大切です。
食物繊維を多く含む食べ物
食物繊維を意識してとろうと思っても、「何を食べればいいの?」と迷うこともありますよね。
食物繊維は、さまざまな食品に含まれており、日々の食事の中で少しずつ取り入れることが大切です。
また、食物繊維には大きく分けて「水溶性食物繊維」と「不溶性食物繊維」の2種類があり、それぞれ働きが異なります。
ここでは、それぞれの特徴と、多く含む食品について紹介します。
▼食物繊維の種類と特徴
| 種類 | 主な働き | 多く含む食品 |
|---|---|---|
| 水溶性食物繊維 | 便をやわらかくする・腸内環境を整える | 葉物野菜、海藻類、果物、大麦など |
| 不溶性食物繊維 | 便のかさを増やす・腸を刺激する | 根菜類、豆類、きのこ類、玄米など |
水溶性食物繊維(便をやわらかくする)
水溶性食物繊維は、水に溶けてゼリー状になり、便をやわらかくする働きがあります。
また、食後の血糖値の上昇をゆるやかにするとともに、腸内の善玉菌のエサとなり、腸内環境を整えることにもつながります。
【多く含む食品】
- 果物(りんご、バナナ、キウイなど)
- 海藻類(わかめ、ひじきなど)
- 野菜(オクラ、モロヘイヤなど)
- 大麦(もち麦など)
不溶性食物繊維(便のかさを増やす)
不溶性食物繊維は、水に溶けにくく、便のかさを増やして腸を刺激し、排便を促す働きがあります。
腸の動きをサポートし、便秘の予防・改善につながります。
【多く含む食品】
- 野菜(ごぼう、ブロッコリー、枝豆など)
- 豆類(おから、茹で大豆、納豆など)
- きのこ類(しいたけ、えのきなど)
- 穀類(玄米、全粒粉パンなど)
食物繊維を無理なくとるためのポイント
食物繊維が大切だと分かっていても、毎日の食事で意識してとるのは難しいと感じることもありますよね。
特に妊娠中は、体調や食欲の変化によって、思うように食べられないこともあります。
だからこそ大切なのは、「無理なく続けられる形で取り入れること」です。
ここでは、食物繊維を日々の食事に無理なく取り入れるためのポイントを紹介します。
主食・主菜・副菜をベースに考える
食物繊維を効率よくとるためには、まずは「主食・主菜・副菜」をそろえた食事を意識することが基本になります。
- 主食:ごはん、パン、麺類など
- 主菜:肉、魚、卵、大豆製品など
- 副菜:野菜、きのこ、海藻類など
特に、副菜にあたる野菜やきのこ、海藻類には食物繊維が多く含まれていますが、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維のどちらかだけをとるのではなく、バランスよく取り入れることが大切です。
また、食物繊維を増やすと、お腹が張ることもあるため、少しずつ取り入れることも意識しましょう。
1品プラスするイメージで取り入れる
「しっかりとらなきゃ」と思うほど、負担に感じてしまうこともありますよね。
そんなときは、いつもの食事に「1品プラスする」イメージで考えると、無理なく続けやすくなります。
例えば、
- ごはんにもち麦や雑穀を混ぜる
- 味噌汁にきのこやわかめを入れる
- サラダや副菜を1品追加する
- 間食に果物を取り入れる
といったように、できることから少しずつ取り入れていくだけでも十分です。
加熱調理でかさを減らす
食物繊維を含む野菜やきのこなどは、加熱調理をしてかさを減らすのがおすすめです。
生のままだとたくさん食べにくく感じるものも、煮たり茹でたりすることでやわらかくなり、無理なく量をとりやすくなります。
スープや味噌汁にすると、一度にたくさんの種類の野菜やきのこ、豆類などを取り入れられるのでより効率的です。
水分も一緒にとることを意識する
食物繊維をとるうえで、あわせて意識したいのが「水分」です。
特に不溶性食物繊維は、水分を含むことで便のかさを増やし、スムーズな排便につながります。
そのため、水分が不足していると、かえって便がかたくなり、便秘が悪化してしまうこともあります。
食物繊維を意識するときは、水分もしっかりとることを意識してみましょう。
実際に私が意識していたこと(体験)
妊娠中は、食物繊維が大切だと分かっていても、毎日の食事で意識して取り入れるのは難しいと感じることもありますよね。
私自身も、妊娠中は便秘に悩むことがあり、「食物繊維をとったほうがいいとは思うけど、どうすればいいんだろう」と悩むこともありました。
特に体調や食欲に波がある中で、毎日バランスよく食べることの難しさを感じていました。
そんな中で、「無理なく続けるにはどうしたらいいか」を考えながら、少しずつ取り入れ方を工夫していきました。
ここでは、私が実際に意識していたことについて紹介します。
取り入れやすい形で“習慣化”する
「何を食べればいいか分からない」と感じてしまうと、それだけで負担になってしまうこともあります。
また、食物繊維を意識しようと思っても、妊娠中にとったほうがいい栄養素は他にもあるため、「何を食べればいいのか」とかえって迷ってしまうこともありました。
そのため、私の場合は、
- 納豆や豆腐などの大豆製品
- 野菜やきのこ類(小松菜、ブロッコリーなど)
- 海藻類(わかめ、ひじきなど)
- 果物(バナナ、りんごなど)
といった、比較的取り入れやすい食品をいくつか決めておき、迷わず選べるようにしていました。
また、「主食・主菜・副菜」をベースにした食事の中で、
- 味噌汁に野菜やきのこ、海藻などを入れる
- 副菜に野菜料理を1品加える
- 果物を1日1回(朝食や間食で)とる
といったように、「いつもの食事に少しプラスする」イメージで考えることで、無理なく続けやすくなりました。
「これなら食べられそう」と思えるものをいくつか持っておくだけでも、気持ちが楽になったように感じています。
無理をしすぎないことを大切にした
妊娠中は、つわりや体調の変化によって、思うように食べられない日があったり、調理をすることすら難しく感じる日もありました。
私自身も便秘に悩んでいたことから、「食物繊維をとらなきゃ」と思うようになりましたが、毎日の食事で意識し続けるのは大変で、気持ちが負担になってしまうこともありました。
そんなときは、「また食べられるときに意識しよう」と考えて、無理をしすぎないようにしていました。
完璧にできなくても大丈夫です。
自分の体調に合わせながら、「できる範囲で続けること」が大切だと感じています。
まとめ
妊娠中は、体の変化にともない便秘になりやすく、食物繊維を意識してとりたい時期です。
「しっかりとらなきゃ」と思うほど、不安やプレッシャーを感じてしまうこともあるかもしれません。
ですが、毎日の食事で大切なのは、「完璧に整えること」ではなく、「無理なく続けられること」です。
食物繊維は一度にたくさんとるよりも、日々の積み重ねが大切な栄養素です。
- 食物繊維を多く含む食品を知る
- 水溶性と不溶性をバランスよくとる
- 主食・主菜・副菜をそろえた食事を意識する
といったポイントを、できる範囲で少しずつ取り入れていくことが大切です。
また、
- いつもの食事に1品プラスする
- 加熱調理で無理なく量をとる
- 水分もあわせてしっかりとる
といった工夫をすることで、負担を減らしながら続けやすくなります。
妊娠中は、体調や食欲に波がある時期でもあります。
「思うようにできない日」があっても大丈夫です。
できていないことではなく、「できていること」に目を向けることも大切にしてみてください。
無理をせず、自分の体調に合わせながら、「これならできそう」と思えることから少しずつ取り入れていけると安心です。
以上、おやこごはん日和のつむぎでした🌿



