妊娠中にカルシウムが大切と分かっていても、
「ちゃんと足りているのかな?」
「何を食べればいいの?」
「意識してとったほうがいいの?」
と、不安に感じることはありませんか?
カルシウムは、赤ちゃんの骨や歯をつくるために欠かせない栄養素であり、ママ自身の体を守るうえでも大切な役割を持っています。
その一方で、妊娠中は食事の偏りや体調の変化によって、気づかないうちに不足してしまうこともあります。
また、「カルシウムもほかの栄養素と同じように、妊娠前に比べて多くとる必要があるの?」と疑問に感じる方もいるかもしれません。
この記事では、妊娠中にカルシウムが大切な理由や必要量、食べ物の選び方、無理なく取り入れるコツについて、管理栄養士としての視点と体験をもとにやさしくまとめています。
無理のない範囲で取り入れながら、自分に合った方法を見つけていきましょう。
妊娠中にカルシウムが大切な理由
妊娠中は、赤ちゃんの成長とともに、ママの体にもさまざまな変化が起こります。
その中でカルシウムは、赤ちゃんの発育だけでなく、ママ自身の体を守るうえでも大切な役割を持っています。
ここでは、妊娠中にカルシウムが大切といわれる理由について、わかりやすく紹介します。
赤ちゃんの骨や歯をつくるため
カルシウムは、赤ちゃんの骨や歯をつくるために欠かせない栄養素です。
お腹の中で赤ちゃんが成長する過程で、骨格がつくられていきますが、その材料としてカルシウムが使われています。
特に妊娠後期では、赤ちゃんの骨がしっかりつくられていく時期でもあるため、カルシウムの役割はより大きくなります。
赤ちゃんの健やかな発育を支えるためにも、日々の食事の中でカルシウムを意識していくことが大切です。
ママの体調を守るため
カルシウムは、赤ちゃんのためだけでなく、ママ自身の体を守るためにも必要な栄養素です。
妊娠中にカルシウムが不足すると、赤ちゃんに必要な分が優先的に使われるため、ママの骨からカルシウムが使われることがあります。
その結果、骨密度の低下につながる可能性もあるといわれています。
また、カルシウムは骨だけでなく、筋肉の収縮や神経の働きにも関わっている栄養素です。
そのため、不足すると足がつりやすくなるなどの不調を感じることもあります。
さらに、出産後の授乳期には母乳を通してカルシウムが使われるほか、ホルモンバランスの変化の影響もあり、一時的に骨量が減りやすい時期といわれています。
妊娠中からカルシウムを意識した食生活を心がけることが、産後の体を守ることにもつながります。
妊娠中の体の変化に対応するためにも、ママ自身の体を支える栄養としてカルシウムをしっかりとることが大切です。
妊娠中に必要なカルシウム量
妊娠中は、赤ちゃんの成長やママの体の変化にともない、さまざまな栄養素の必要量が増えるといわれています。
その中でカルシウムについては、「妊娠したら多くとらないといけないの?」と疑問に感じる方もいるかもしれません。
ここでは、妊娠中に必要なカルシウム量の目安と、不足しやすい理由について紹介します。
妊娠中に必要なカルシウム量の目安
成人女性(18〜49歳)のカルシウムの推奨量は、1日約650mgとされています。
妊娠中もこの量を基本として考えられており、妊娠していないときと比べて大きく増えるわけではありません。これは、妊娠中はカルシウムの吸収率が高まるためといわれています。
ただし、必要量が増えないからといって、意識しなくてよいというわけではありません。
もともとカルシウムは不足しやすい栄養素でもあるため、妊娠中も引き続き意識してとることが大切です。
カルシウムが不足しやすい理由
カルシウムは、日々の食事の中で意識しないと不足しやすい栄養素のひとつです。
例えば、
- 乳製品が苦手であまり食べない
- カルシウムを多く含む食品(乳製品や小魚など)をとる機会が少ない
- つわりで食べられるものが限られる
といった理由から、気づかないうちに不足してしまうことがあります。
また、カルシウムは体内で吸収されにくい特徴もあるため、「とっているつもりでも足りていない」ということも少なくありません。
そのため、妊娠中は無理のない範囲で、日々の食事の中で少しずつ意識して取り入れていくことが大切です。
カルシウムを多く含む食べ物
カルシウムが多く含まれる食品というと、骨ごと食べられる小魚や乳製品が思い浮かぶかなと思います。
しかし、他にも様々な食材があります。
まずは、どのような食品に多く含まれているのかを知ることで、毎日の食事に取り入れやすくなります。
ここでは、カルシウムを多く含む主な食品について紹介します。
カルシウムを多く含む食品
| 食品カテゴリ | 食品名 | ポイント |
|---|---|---|
| 乳製品 | 牛乳、チーズ、 ヨーグルト | 吸収率が高く、 効率よくとれる |
| 大豆製品 | 豆腐、厚揚げ、納豆 | 日常に取り入れやすい |
| 小魚 | しらす、いわし、ししゃも | 骨ごと食べられて、カルシウム豊富 |
| 野菜 | 小松菜、 ちんげん菜 | カルシウムが 比較的多い野菜 |
| 海藻 | ひじき、わかめ | ミネラル補給にも◎ |
カルシウムは体内に吸収されにくい栄養素であり、食品によっても吸収率に違いがあります。
そのため、「どの食品をどのようにとるか」も大切なポイントになります。
カルシウムの吸収を高めるポイント
カルシウムは、体にとって大切な栄養素ですが、ほかの栄養素と比べて吸収されにくい特徴があります。
そのため、同じ量をとっていても、食べ方や組み合わせによって、体への取り込みやすさが変わることがあります。
せっかく意識してとっているカルシウムも、うまく活用できていないと、少しもったいなく感じてしまいますよね。
ここでは、カルシウムの吸収を高めるためのポイントと、あわせて意識したいことについて紹介します。
ビタミンDと一緒にとる
カルシウムの吸収を高めるうえで、特に大切なのがビタミンDです。
ビタミンDは、腸からカルシウムの吸収を助ける働きがあり、不足してしまうと、せっかくとったカルシウムがうまく活用されにくくなってしまいます。
ビタミンDは、以下のような食品に多く含まれています。
- 鮭、サバ、イワシなどの魚
- きのこ類(しいたけ、まいたけなど)
食事の中で魚やきのこ類を取り入れることで、無理なく組み合わせやすくなります。
また、ビタミンDは日光を浴びることで体内でもつくられる栄養素です。無理のない範囲で外に出る時間をつくることも大切です。
バランスのよい食事を意識する
カルシウムは、特定の食品だけで補うのではなく、日々の食事全体のバランスの中でとり入れていくことが大切です。
基本となるのは、「主食・主菜・副菜」をそろえた食事です。
- 主食:ごはん、パン、麺類など
- 主菜:肉、魚、卵、大豆製品など(たんぱく質源)
- 副菜:野菜、きのこ、海藻類など
こうした食事をベースにしながら、
- カルシウムを多く含む食品(乳製品、小魚、大豆製品など)
- ビタミンDを含む食品(魚、きのこ類)
を組み合わせていくことで、より効率よく取り入れることにつながります。
また、骨はカルシウムだけでなく、たんぱく質も重要な材料となります。
「どれかひとつをたくさん食べる」というよりも、「いろいろな食品を少しずつ取り入れる」ことを意識してみましょう。
リンのとりすぎに注意する
カルシウムを意識してとるうえで、合わせて気をつけたいのがリンのとりすぎです。
リンは体に必要な栄養素のひとつですが、とりすぎるとカルシウムの吸収に影響することがあります。
特に、加工食品やインスタント食品にはリンが多く含まれていることがあるため、これらに偏った食事が続かないように意識することが大切です。
完全に避ける必要はありませんが、頼りすぎないことを意識すると安心です。
実際に私が意識していたこと(体験)
妊娠中は、カルシウムが大切だと分かっていても、毎日の食事の中で意識して取り入れるのは意外と難しいと感じることもありますよね。
私自身も、「カルシウムをとろう」と思っていても、毎日しっかり意識できていたわけではありませんでした。
そんな中で、「無理なく続けるにはどうしたらいいか」を考えながら、日々の食事の中で少しずつ工夫するようになりました。
ここでは、私が実際に意識していたことについて紹介します。
取り入れやすい食品を”定番化”する
毎日の食事でどう取り入れればいいか迷ってしまうと、それだけで負担になってしまうこともあります。
そのため、私の場合は、
- 朝食にヨーグルトと牛乳を取り入れる
- 間食にチーズを選ぶ
- 味噌汁やスープに豆腐を入れる
- 小魚やしらすをトッピングとして使う
など、日常的に取り入れやすいものをいくつか決めておき、迷わず選べるようにしていました。
また、子どもにもカルシウムをとってほしいと考えるようになり、ヨーグルトや牛乳、チーズなどの乳製品は常にストックするようになりました。小松菜などの野菜類や、しらすを使う機会も自然と増えていきました。
こうした「無理のない習慣」ができたことで、特別に意識しすぎなくても、カルシウムを取り入れやすくなりました。
「これを食べておけば大丈夫」と思えるものがあるだけでも、気持ちが少し楽になります。
他の食事と組み合わせて考える
カルシウムだけを意識しようとすると、「何を食べればいいんだろう」と悩んでしまうこともありました。
そのため、「主食・主菜・副菜」をベースにした食事の中に、カルシウムを含む食品を少しずつ取り入れるように意識していました。
「カルシウムだけを意識する」のではなく、「いつもの食事の中で自然にとる」イメージです。
例えば、
- 主菜に魚を選ぶ
- 副菜に小松菜やひじきを使う
- 乳製品を1品プラスする
といったように、「いつもの食事に少し加える」イメージで考えることで、無理なく続けやすくなりました。
体調に合わせて取り入れる
妊娠中は、つわりや体調の変化によって、食べられるものや量が変わることも多くあります。
そんなときは、「今日は無理せず、また明日意識しよう」と考えるようにして、毎日の食事にこだわりすぎないことを大切にしていました。
また、食事を用意するのが大変なときには、市販の食品や簡単に食べられるものに頼ることもありました。
無理をせず続けられることが、一番大切だと感じています。
「少し意識する」ことを積み重ねていくことで、無理なく続けやすくなると感じました。
まとめ
妊娠中は、赤ちゃんの成長や体の変化にともない、カルシウムを意識してとりたい時期です。
とはいえ、「赤ちゃんのためにしっかりとらないと」と思うと、不安やプレッシャーを感じてしまうこともあるかもしれません。
ですが、毎日の食事で大切なのは、「完璧に整えること」ではなく、「無理なく続けられること」です。
カルシウムは一度にたくさんとるよりも、日々の積み重ねが大切な栄養素です。
カルシウムを意識するうえでは、毎日の食事の中でできることから少しずつ取り入れていくことが大切です。
- カルシウムを多く含む食品を知る
- ビタミンDと組み合わせる
- 主食・主菜・副菜をそろえた食事を意識する
といったポイントを、できる範囲で少しずつ取り入れていくことが大切です。
また、
- 取り入れやすい食品を定番化する
- いつもの食事に少しプラスする
- 体調に合わせて無理をしすぎない
といった工夫をすることで、負担を減らしながら続けやすくなります。
妊娠中は、体調や食欲に波がある時期でもあります。
「思うようにできない日」があっても大丈夫です。
できていないことではなく、「できていること」に目を向けることも大切にしてみてください。
無理をせず、自分の体調に合わせながら、「これならできそう」と思えることから、少しずつ取り入れていけると安心です。
以上、おやこごはん日和のつむぎでした🌿



