妊娠後期に入ると、お腹が大きくなり、体の変化をより強く感じるようになってきます。
「食べたいのにあまり食べられない」
「少し食べただけで苦しくなる」
「体重も気になるけど、どうしたらいいの?」
このように、妊娠中期までとは違った食事の悩みを感じる方も多いのではないでしょうか。
私自身も、妊娠後期に入ってからは一度に食べられる量が減り、食べすぎてしまったときには苦しさや気持ち悪さを感じることがあり、食事のとり方に悩むことが増えました。
この記事では、妊娠後期の食事について、特徴や意識したいポイント、よくある悩みへの対処法を、管理栄養士としての視点と実体験をもとにやさしくまとめています。
体調やその日の状態に合わせて、無理のない範囲で参考にしてみてください。
妊娠後期の食事の特徴
妊娠後期になると、赤ちゃんの成長とともにお腹が大きくなり、体の内側にもさまざまな変化が起こります。
それに伴い、食事のとり方にも少しずつ工夫が必要になってくる時期です。
ここでは、妊娠後期に見られやすい食事の変化について紹介します。
一度にたくさん食べにくくなる
妊娠後期は、大きくなった子宮によって胃が圧迫されるため、一度に食べられる量が少なくなることがあります。
「今までと同じように食べているつもりでも、すぐにお腹がいっぱいになる」
「食後に苦しさを感じる」
このように感じることが増えてきます。
無理にこれまでと同じ量を食べようとすると、かえって体調が悪くなってしまうこともあるため、体の変化に合わせた食べ方を意識することが大切です。
体重が増えやすくなる
妊娠後期は、赤ちゃんの成長に伴い体重が増えやすい時期でもあります。
食事量が大きく増えていなくても、体の変化によって体重が増えやすく感じることがあります。
また、この時期にはむくみが出やすく、その影響で体重が増えてしまうこともあります。
そのため、「食べすぎていないのに増えている」と不安に感じることもあるかもしれません。
無理に食事量を減らすのではなく、食べ方や内容を整えながら、バランスよく取り入れていくことが大切です。
体調によって食べやすさが変わる
妊娠後期は、日によって体調や食欲に差が出やすい時期でもあります。
胃もたれや胸やけを感じたり、食後に苦しさを感じたりすることもあり、思うように食事がとれない日もあります。
そのため、「毎日同じように食べること」を目指すのではなく、その日の体調に合わせて食べ方を調整することが大切です。
妊娠後期に意識したい食べ方のポイント
妊娠後期は、お腹が大きくなることで一度に食べられる量が減ったり、体調によって食べやすさが変わったりする時期です。
そのため、これまでと同じ食べ方では負担に感じることもあり、「どのように食べるか」も意識することが大切になってきます。
ここでは、妊娠後期に意識したい食べ方のポイントについて紹介します。
1回の量を減らして回数を分ける
妊娠後期は、子宮が大きくなることで胃が圧迫され、一度にたくさん食べるのがつらく感じることがあります。
そのため、無理に3食でしっかり食べようとするのではなく、1回の食事量を少なめにして、回数を4〜5回に分けてとる方法もおすすめです。
また、朝昼夜の食事を少なめにする代わりに、間食をうまく取り入れる方法もあります。
間食を取り入れるときは、お菓子だけでなく、ヨーグルトや果物、おにぎり、さつまいも、ゆで卵など、選べると安心です。
消化のよい食事を意識する
妊娠後期は、胃もたれや胸やけを感じやすくなる時期でもあります。
そのようなときは、消化のよい食事を意識することが大切です。
例えば、
- 脂っこいものを控える
- やわらかく調理する(煮る・蒸すなど)
- 温かい食事を取り入れる
といった工夫をすることで、体への負担をやわらげることができます。
体調に合わせて、無理のない範囲で調整してみてください。
食後すぐに横にならない
妊娠後期は、食後に胃の不快感や逆流を感じやすくなることがあります。
食後は、食べたものを消化している最中なので、胃の働きが活発になっている状態です。食後すぐに横になると、胃酸が逆流しやすくなり、胸やけの原因になることもあります。
そのため、食後はしばらく上半身を起こした状態で過ごすことを意識してみてください。
座ってゆっくり過ごしたり、無理のない範囲で軽く体を動かすこともおすすめです。
食べられるタイミングを大切にする
妊娠後期は、日によって体調や食欲に差が出やすい時期でもあります。
そのため、「毎日同じ時間・同じ量を食べること」にこだわりすぎず、食べられるタイミングで無理なくとることも大切です。
「今日は少ししか食べられなかった」という日があっても、別のタイミングで補うことができれば問題ありません。
その日の体調に合わせて、柔軟に食事をとることを意識してみてください。
栄養バランスも無理のない範囲で意識する
妊娠後期は食べる量が減りやすい時期でもあるため、限られた食事の中で栄養バランスも意識していくことが大切です。
特に、たんぱく質や鉄分、カルシウムなどは、赤ちゃんの成長やママの体のためにも引き続き大切な栄養素とされています。
また、むくみが気になる場合には、塩分のとりすぎにも、少しだけ意識を向けてみるのもおすすめです。
とはいえ、すべてを完璧に整えようとすると負担になってしまうこともあります。
まずは「できる範囲で整える」くらいの気持ちで、無理なく取り入れていくことが大切です。
よくある悩みと対処法
妊娠後期は、体の変化に伴って食事の悩みも増えやすい時期です。
「食べたいのに食べられない」
「食後に苦しくなってしまう」
「体重も気になるけど、どう調整したらいいの?」
このように、これまでとは違った悩みを感じることもあるのではないでしょうか。
ここでは、妊娠後期によくある食事の悩みと、その対処法について紹介します。
食べたいのに食べられないとき
妊娠後期は、胃の圧迫によって食べられる量が減り、「食べたいのに思うように食べられない」と感じることがあります。
私自身も、「もう少し食べたいのに苦しくなる」ということが増えて、食事の満足感が得られにくいと感じることがありました。
そのようなときは、無理に1回で食べようとせず、食事の回数を1日4〜5回と分けて少しずつとることを意識してみてください。
また、食事の1回量を少量にし、回数を分けることは、食後の不快感をやわらげることにもつながります。
食後に苦しくなるとき
妊娠後期は、食後に胃もたれや胸やけ、苦しさを感じやすくなることがあります。
「少し食べただけなのに苦しい」
「食後に気持ち悪くなる」
このように感じることもあるかもしれません。
そのようなときは、
- 一度に食べる量を控えめにする
- 消化のよい食べ物をとる
- 脂っこいものを避ける
- 食後すぐに横にならない
といった工夫をすることで、症状がやわらぐことがあります。
無理に食べようとせず、「少しでも楽に食べられる方法」を見つけていくことが大切です。
食欲にムラがあるとき
妊娠後期は、日によって食欲に差が出ることもあります。
「昨日は食べられたのに、今日はあまり食べられない」
そんな変化に戸惑うこともあるかもしれません。
ですが、このような波は自然なものでもあります。
1日ごとに完璧に整えようとするのではなく、数日単位でバランスがとれていれば大丈夫、くらいの気持ちで考えることも大切です。
食べられるときにしっかり食べ、難しいときは無理をしないというように、体調に合わせて調整していきましょう。
体重が気になるとき
妊娠後期は体重が増えやすい時期でもあるため、「このままで大丈夫かな…」と不安に感じることもあると思います。
ですが、体重が気になるからといって、食事量を極端に減らしたり、無理に我慢したりすることはおすすめできません。
大切なのは、「減らすこと」ではなく「整えること」です。
例えば、
- 食べる時間を整える
- 間食の内容を見直す
- 栄養バランスを意識する
といった小さな工夫を積み重ねることで、無理なく調整していくことができます。
体重管理について、基本的な考え方や具体的な対処法をこちらの記事で詳しくまとめています。
▶︎【妊娠中の体重管理どうする?増えすぎ・増えないときの対処法と考え方【管理栄養士ママが解説】】
便秘が気になるとき
妊娠後期になると、「便秘がちになった」と感じる方も多いのではないでしょうか。
私自身も、妊娠後期に入ってから便秘に悩むことが増え、なかなか出ずにつらいと感じることがありました。
妊娠中は、ホルモンの影響や大きくなった子宮による圧迫などによって、腸の動きがゆるやかになり、便秘が起こりやすい状態になるといわれています。
そのため、「しっかり食べているのに出ない…」と感じることがあっても、めずらしいことではありません。
このようなときは、無理に一気に解消しようとするのではなく、できる範囲で整えていくことが大切です。
例えば、
- 水分をこまめにとる
- 食物繊維を含む食品(野菜・果物・海藻など)を意識する
- 無理のない範囲で体を動かす
といったことを、体調に合わせて取り入れてみるのもひとつの方法です。
それでもつらい場合には、無理に我慢せず、医師に相談することも大切です。
「できる範囲で整えること」と「頼れるときは頼ること」の両方を大切にしながら、自分に合った方法を見つけていけると安心です。
実際に私が意識していたこと(体験)
妊娠後期は、体の変化によって食事のとり方に悩むことが増えました。
「食べたいのに食べられない」
「食後に苦しくなる」
そんな状態の中で、「どうしたら無理なく続けられるか」を考えながら、少しずつ食べ方を工夫していきました。
ここでは、私が実際に意識していたことについて紹介します。
1回の量を無理して食べようとしない
妊娠後期に入ってからは、食後に気持ち悪くなることが増え、「今まで通りに食べるのは難しい」と感じるようになりました。
嘔吐をすることはありませんでしたが、胃液が戻ってくるような不快感が何度かありました。
そのため、「1回でしっかり食べなきゃ」と思うのではなく、食べられる量を無理なくとることを意識していました。
「少し足りないかも」くらいでやめて、間食で補うようにすると、食後の苦しさが減り、楽に過ごせることが多くなりました。
間食も食事の一部として取り入れる
1回の食事量が減った分、間食をうまく取り入れるようにしていました。
お菓子だけで済ませるのではなく、
- おにぎり
- ヨーグルト
- 果物
- さつまいも
など、できるだけエネルギーや栄養になるものを選ぶようにしていました。
「間食=よくないもの」と考えるのではなく、「足りない分を補うもの」として取り入れることで、無理なく続けることができました。
妊娠中の間食については、こちらの記事で詳しくまとめています。
▶︎【妊娠中の間食どうしてる?体重が気になるときのおやつの選び方|管理栄養士ママの食べ方のコツ】
食べられるタイミングを大切にする
日によって食欲に差があったため、「食べられるときに食べる」ということも意識していました。
消化が遅くなったせいかお腹が空かない、なんとなく胃がムカムカすると感じることもありました。そのようなときには無理に食べることはせず、少し時間をおいて、食べられそうと思ったときに軽く食べるようにしていました。
無理に整えようとしすぎない
妊娠後期は、「毎日同じように食べること」が難しい時期でもありました。
そのため、「バランスよく食べなきゃ」と思いすぎず、
- 食べられるものを優先する
- 1日や数日単位で整える
といったように、ゆるく考えるようにしていました。
無理に整えようとすると、かえって食事が負担になってしまうこともあったため、「できる範囲で大丈夫」と思えるようになってから、気持ちが楽になりました。
無理なく続けることがいちばん大切
妊娠後期は、体の変化によって思うように食べられなかったり、食事のリズムが崩れてしまったりすることもある時期です。
さらに、腰痛やむくみ、頻尿、疲れやすさなど、さまざまな不調を感じやすい時期でもあります。
私自身も、妊娠後期に入ってからは、なんとなく体がだるかったり、イライラしてしまったり、動悸のような症状を感じることがありました。
「なんだかずっとしんどいな」と感じる日もあり、正直、早く妊娠生活が終わってほしいと思ってしまうこともありました。
そんな中で、「食事もきちんと整えなきゃ」と思うと、さらに負担に感じてしまうこともありますよね。
私自身も、「バランスよく食べなきゃ」と意識するほど、食事のことばかり考えてしまい、かえってストレスを感じてしまいました。
だからこそ、毎日完璧に整えることよりも、「無理なく続けられること」の方が大切だと感じています。
例えば、
- 今日は少しでも食べられた
- 食後に苦しくならずに過ごせた
- 体調に合わせて食事をとれた
そんな小さなことでも、十分だと思います。
妊娠後期は、体調や食べられる量、食欲の変化などに個人差があり、「これが正解」というものはありません。
周りと比べてしまったり、「うまくできていないかも」と不安に感じてしまうことがあっても、自分のペースで大丈夫です。
つらいときは無理をせず、食べられるものを優先したり、家族や周りの人に頼ったりすることも大切です。
自分の体と向き合いながら、「これならできそう」と思える方法を、少しずつ見つけていけるといいですね。
まとめ
妊娠後期は、お腹が大きくなることで食事のとり方にも変化が出やすく、「思うように食べられない」と感じることも増えてきます。
食後の苦しさや食欲のムラ、体重の変化など、これまでとは違った悩みに戸惑うこともあると思います。
妊娠後期の食事で大切なのは、「しっかり食べること」だけでなく、「体の状態に合わせて無理なくとること」です。
そのためには、
- 1回の食事量を調整する
- 回数を分けてとる
- 消化のよい食事を意識する
- 食べられるタイミングを大切にする
といったことを、できる範囲で取り入れていくことがポイントになります。
また、体調や食べられる量には個人差があるため、「思うようにできていない」と感じる日があっても問題ありません。
大切なのは、完璧を目指すことではなく、自分の体調に合わせて整えていくことです。
妊娠後期は、出産に向けて体も心も大きく変化していく時期でもあります。
大変に感じることもある時期だからこそ、無理をせず、自分のペースを大切にしながら過ごしていきたいですね。
以上、おやこごはん日和のつむぎでした🌿

