妊娠中、「なんだか便秘気味かも…」と感じることはありませんか?
「しっかり食べているのに出ない」
「お腹が張って苦しい」
「このままで大丈夫かな…」
このように、不安や不快感を感じることもあると思います。
妊娠前は便通に問題がなかった方でも、妊娠中はホルモンバランスの変化や体型の変化などによって便秘になりやすいことがあります。
私自身も、妊娠前に便秘で悩んだことは一度もなかったのに、2度の妊娠でどちらも便秘に悩むことになりました。
この記事では、妊娠中に便秘になりやすい理由や、無理のない対処法について、管理栄養士としての視点と体験をもとにやさしくまとめています。
体調に合わせて、できることから取り入れてみてください。
妊娠中に便秘になりやすい理由
妊娠中は、さまざまな体の変化によって、便秘が起こりやすくなるといわれています。
また、時期によって原因が少しずつ変わるのも特徴です。
「なぜ便秘になるのか」を知っておくことで、対処もしやすくなります。
ここでは、妊娠中に便秘になりやすくなる主な理由について紹介します。
妊娠初期はつわりや生活の変化の影響
妊娠初期は、つわりによって今までと同じような食事をすることが難しくなり、栄養バランスが偏ってしまうことがあります。
また、気持ち悪さや吐き気などで、食事や水分をとる量が減ってしまう方も多いと思います。
そうなると、腸の中に十分な便が溜まらなかったり、便を柔らかくするために必要な食物繊維や水分が少なくなり、便秘になってしまう場合があります。
また、妊娠したことによる体や生活リズムの変化によるストレスで、自律神経が乱れ、便秘につながってしまうこともあります。
つわり中の食事については、こちらの記事でも詳しくまとめています。
▶︎【つわり中の食事どうする?食べられたもの・水分補給・食欲がないときの対処法まとめ】
妊娠中期はホルモンや運動量の影響
妊娠中は、「プロゲステロン(黄体ホルモン)」というホルモンの分泌が増えます。妊娠週数が進むにつれて分泌量が増えるため、妊娠中期以降から便秘になったと感じる方もいます。
プロゲステロンは、妊娠を維持するために重要なホルモンですが、その一方で、腸の動きもゆるやかにしてしまうといわれています。
そのため、便が腸の中に長くとどまりやすくなり、便秘につながりやすくなります。
また、妊娠中は、体調や医師の指示によって、安静に過ごす時間が増えることもあります。体を動かす機会が減ると、腸の動きも鈍くなりやすく、便秘につながることがあります。
妊娠中期の食事については、こちらの記事で詳しくまとめています。
▶︎【妊娠中期の食事どうする?安定期に意識したい食べ方とポイント【管理栄養士ママが解説】】
妊娠後期は子宮の圧迫による影響
赤ちゃんの成長に伴って、子宮も大きくなっていきます。その影響で、腸が圧迫されるため、腸の働きが鈍くなります。
また、血管が圧迫されて血流が悪くなることで、腸の働きが弱くなることもあるといわれています。
その結果、「出したいのに出にくい」と感じることが増えることもあります。
妊娠後期の食事については、こちらの記事で詳しくまとめています。
▶︎【妊娠後期の食事どうする?後期に増える悩みと食べ方のポイント【管理栄養士ママが解説】】
便秘のときに意識したい基本の考え方
妊娠中の便秘は、多くの方が経験するトラブルのひとつです。
「毎日出ていないけど大丈夫なのかな」
「このままだとよくないかも…」
そう思うほど、不安を感じてしまうこともあるのではないでしょうか。
ですが、妊娠中の体は大きく変化しているため、これまでと同じようにいかないことも自然なことです。
ここでは、便秘と向き合ううえで大切にしたい考え方について紹介します。
毎日出なくても大丈夫
「毎日排便がないといけない」と思ってしまう方も多いですが、必ずしもそうではありません。
排便の回数には個人差があり、数日に1回でも、スムーズに出ていて不快感がなければ、問題ないこともあります。
「何日出ていないか」だけにとらわれすぎず、体の状態やお腹の張り、不快感の有無などもあわせて見ていくことが大切です。
無理に出そうとしない
便を無理に出そうと強くいきんだり、長時間トイレに座ったりすることは、痔につながってしまうこともあります。
また、強くいきむことでお腹に負担がかかってしまうこともあります。
妊娠中は体がデリケートな状態でもあるため、無理に出そうとするのではなく、「出やすい状態を整える」ことを意識することが大切です。
焦らず、できることを少しずつ取り入れていくことが安心につながります。
体調に合わせて整えていく
妊娠中は、日によって体調や食事量、生活リズムが変わりやすい時期です。
そのため、「毎日同じように整えること」が難しいと感じることもあると思います。
「今日は水分を少し多めにとれた」
「食事に気をつけられた」
そんな小さな積み重ねでも、十分意味があります。
完璧を目指すのではなく、その日の体調に合わせて無理のない範囲で整えていくことが大切です。
つらいときは我慢しすぎない
便秘が続くと、お腹の張りや不快感が強くなり、つらく感じることもあります。
「数日間、便が出てなくて不安」
「便が溜まっている感じがして不快」
そのようなときには、無理に我慢する必要はなく、医師に相談することも大切な選択のひとつです。
便秘薬は自己判断で市販薬を購入するのではなく、必ず産院でもらうようにしましょう。
安心して過ごすためにも、「頼ること」も大切にしてみてくださいね。
妊娠中の便秘をやわらげるための食事と生活のポイント
妊娠中の便秘は、体の変化によって起こりやすいため、完全に防ぐことは難しい場合もあります。
ですが、日々の食事や生活を少し工夫することで、やわらげることにつながることもあります。
ここでは、無理のない範囲で取り入れやすいポイントについて紹介します。
水分をこまめにとる
便をやわらかくするためには、水分をしっかりとることが大切です。
水分が不足すると、便がかたくなり、排出しにくくなってしまいます。
一度にたくさん飲むのではなく、こまめに少しずつとることを意識してみてくださいね。
また、朝起きたときにコップ1杯の水を飲むことで、腸が刺激され、便意につながることもあります。
食物繊維を意識してとる
便秘対策としてよく知られているのが、食物繊維です。
食物繊維には、水に溶ける「水溶性食物繊維」と水に溶けにくい「不溶性食物繊維」の2種類があります。
水溶性食物繊維は、便をやわらかくしたり、腸内環境を整える働きがあります。
不溶性食物繊維は、便のかさを増やして腸の動きをサポートする働きがあります。
食物繊維を多く含む食品の例として、
水溶性食物繊維:葉物野菜、果物、海藻類など
不溶性食物繊維:根菜類、きのこ類、豆類など
といったものがあります。
2種類の食物繊維をバランスよくとることが大切です。できる範囲で毎日の食事に取り入れられるといいですね。
間食で取り入れやすい食品については、こちらの記事でも紹介しています。
▶︎【妊娠中の間食どうしてる?体重が気になるときのおやつの選び方|管理栄養士ママの食べ方のコツ】
腸内環境を整える食品を取り入れる
腸内環境を整えることも、便秘対策のひとつです。
ヨーグルトや納豆などの発酵食品に含まれる善玉菌は、腸の動きをサポートする働きがあるといわれています。
また、食物繊維と一緒にとることで、より効果的に働くこともあります。
毎日続けやすいものを、少しずつ取り入れてみるのがおすすめです。
軽い運動や体を動かす習慣を取り入れる
体を動かすことで、腸の動きが促されることがあります。
無理のない範囲での散歩やストレッチなどを、日常の中に取り入れてみるのもひとつの方法です。運動は気分転換にもなり、ストレス軽減にもつながります。
ただし、妊娠中に運動をし過ぎると、赤ちゃんの負担となったり、思わぬ怪我につながることもあるため、無理のない範囲で続けることが大切です。
また、体調や医師の指示によっては安静が必要な場合もあるため、そのようなときは、医師に相談しながら取り入れていきましょう。
実際に私が意識していたこと(体験)
妊娠中の便秘は、「こうすれば必ずよくなる」という正解があるわけではなく、体調やそのときの状態によっても変わりやすいと感じました。
私自身も、妊娠中期から後期にかけて便秘が続くようになりました。
数日間便が出ていないときに、食べすぎてしまった日があり、そのあとに腹痛や気持ち悪さを感じたことがあります。
その後、便が出ると症状は落ち着いたため、「もしかして便秘が関係していたのかもしれない」と感じたことがありました。
はっきりとした原因は分かりませんが、便秘が続くことで体調に影響が出ることもあるのだと実感した出来事でもありました。
ここでは、そんな中で実際に意識していたことや、取り入れてよかったと感じたことについて紹介します。
無理に頑張らず、できることから始める
便秘をなんとかしたいと思うと、
「水分を増やして…」
「食物繊維も意識して…」
「運動もしなきゃ…」
と、いろいろなことを一度に頑張ろうとしてしまうこともあると思います。
ですが、妊娠中は体調の波もあり、すべてを整えるのは難しいと感じることもありました。
そのため、「できることをひとつずつ取り入れる」ことや、「少し意識するくらいで大丈夫」と考えるようにしてから、少し楽に取り組めるようになりました。
例えば、私の場合は、
・朝起きたときに水を飲む
・1日の食事の中のどこか1食、いつもより少し野菜や果物をプラスする
といった小さなことから始めることで、無理なく続けやすかったと感じています。
タイミングを逃さないようにする
「なんとなく行きたいかも」と感じたときに、できるだけ我慢しないことも意識していました。
後回しにしてしまうと、便意が弱くなってしまい、さらに出にくくなることがあったためです。
毎日決まった時間でなくても、「行けそうなときに行く」という感覚でも大丈夫だと感じました。
つらいときは無理をしないで頼る
どうしても出ないときや、お腹の張りがつらいときには、「自分だけでなんとかしなきゃ」と思いすぎないことも大切だと感じました。
私自身も、なかなか改善しなかったときには医師に相談し、薬を処方してもらったことがあります。
「できることはやっているのにうまくいかない」と感じたときは、無理に頑張り続けるのではなく、頼ることも大切だと感じました。
まとめ
妊娠中の便秘は、多くの方が経験するトラブルのひとつです。
思うように出ないことで不安になったり、お腹の張りや不快感に悩まされることもあると思います。
ですが、妊娠中はホルモンの影響や体の変化によって、便秘になりやすい状態でもあります。
そのため、「うまくいかない」と感じることがあっても、必要以上に自分を責める必要はありません。
便秘をやわらげるためには、
・水分をこまめにとる
・食物繊維を意識する
・腸内環境を整える食品を取り入れる
・無理のない範囲で体を動かす
といったことを、できる範囲で少しずつ続けていくことが大切です。
また、「毎日出さなきゃ」と思いすぎたり、無理に出そうとするのではなく、
・自分のペースで整えていくこと
・体調に合わせて柔軟に考えること
も大切にしてみてください。
それでもつらいときや、不安が強いときには、無理に我慢せず医師に相談することも大切です。
妊娠中は、体も心も大きく変化する時期です。
無理をせず、自分の体調に合わせながら、「できることを少しずつ」で大丈夫です。
安心して過ごすためにも、自分に合った方法を見つけていけるといいですね。
以上、おやこごはん日和のつむぎでした🌿

